仕事のリーダーになってパニックの真矢さん
マインドブロックバスターの智子さんは40代の会社員です。ある朝、早めに出社した智子さ
んが会議室のドアを開けると、同期入社の真矢さんが涙ぐんで座っていました。
「どうしたの」と駆け寄ると、真矢さんは「私には大役過ぎて・・リーダー無理〜」と珍しく弱音を吐いています。
それもそのはず、真矢さんが大抜擢でリーダーとなったのは、会社が初めて受注した大口案件。成功すれば今後の会社の業績を大幅アップさせる重要なプロジェクトだったのです。
智子さんも今回のプロジェクトチームに入っています。
同期入社の真矢さんとはいつも励まし合い、頑張ってきた仲間であり親友です。今回リーダーに抜擢されたのも納得の人選だと思っていました。
今までは真矢さんのスピーディな判断と連絡でチームが回ってきたという実情がありました。
部のメンバーが頼りすぎていたために、頼んだことが終わるのが遅いと真矢さんが苛立ってしまい、部のメンバーに真矢さんがどんどん仕事を振らなくなってしまっていました。
「チームで仕事したいのにできない」をブロック解除してみた
智子さんは、有能な真矢さんが実力を発揮できないのを見て歯痒く思っていました。
しかし、頭の回転が速い真矢さんには自分も頼り切ってしまっていて、どのタイミングで何をサポートしようか声をかけそびれていたことを今更ながら反省しました。
そして今朝彼女が泣いているのを見て、深い後悔の気持ちが湧きました。
「真矢さん、ごめんなさい。わたし、どうしてあげたらいいかしら?」
「ありがとう。あなたがいてくれて助かったわ。わたし、一番悩んでいるのは、本当はチームで仕事したいのにうまくできないことなの。」
「そうよね。真矢さんがリーダーで、できないことではないと思う。まずは今何が進んでいて何が滞っているのか一緒に整理してみましょうよ。今日はお昼を一緒に食べに行かない?」と真矢さんをランチに誘いました。
ランチでブロック解除をしてみたら
二人でランチをしながら、今のプロジェクトで、いつまでに何をどこまで進めればいいのか真矢さんの困っていることを聞いて、智子さんも自分がその中で何をサポートできるか考えました。
ふと、真矢さんがこう言いました。
「ねぇ、智子さん、前にブロック解除っていう方法で気持ちが落ち着くと言っていなかった?」
智子さんは、以前に自分が仕事のストレス解消でセラピーを習っていることを話したのを真矢さんが覚えていてくれてビックリしました。
「真矢さん、よく覚えていたわね。今のうまく行かない、という気持ちをブロック解除してみましょうか?」
「そうね、気分転換って大事よね。どうすればいいの?」
智子さんはもう一度簡単にブロック解除の説明をして
「チームで仕事をすることがうまく行かない」を真矢さんにブロック解除しました。
「え〜、こんなあっさりした方法なの?これで問題が解決するのかしら?」
真矢さんはニコニコ笑ってあまり信じている感じではありませんでしたが、まずブロック解除で落ち着こうという智子さんの気持ちは伝わったようでした。
真矢さんの気持ちに変化が
食事をして帰ってきた後、驚くことが起きました。午後のミーティングで上司からこう言われたのです。
「突然だけれど、先方の都合で締め切りが伸びた。なのでもう少しゆとりを持ってスケジュールを組み直そう」
全員びっくりです。
真矢さんは「余裕ができたのなら、みんなでより良い物を作りましょう」と一人で抱え込んだことを放出し始めました。
「来週まででよくなったから、智子さんにこの部分をお願いしてもいいかな?」
後輩たちからも「緊急じゃなくなったのなら、B案を練り直して再提出してよろしいでしょうか」と前向きな提案が出ました。
ピリピリしていたプロジェクトの空気が変わってきたようです。
あとから聞いたのですが、真矢さんは納期が伸びたことでかなりホッとしたのだそうです。そして意外とすんなり人に頼む事ができる自分に驚いたと言います。
終業時には、その日の朝泣いてしまうほどパニックになっていたのが嘘のように、心が軽くなっていました。
「まさか絶対動かないと思っていた締め切りの方が、先方の都合で伸びるなんてね。お昼に智子さんにやってもらったブロック解除の効果かも!」
真矢さんから智子さんにお礼のLINEが入りました。
次の日から、不思議なことに提案したらすぐにオッケーが出たり、上司がいる時に重要な決済が済んだり、外周りに出る時にも乗り継ぎがスムーズで早く帰ってくることができたりとまるで何かに応援されているみたいにタイミングよく進みました。
「最初の頃と比べたら今は確実に仕事が順調だよね。ブロック解除ってあんなにすぐできるなら絶対やった方がいいねぇ」という真矢さん。
「ブロック解除が役に立って良かったね。リーダーはやっぱり真矢さんで適任だったね」と智子さんは微笑みました。
その後、納期日にきちんと納めることができ、初の大口受注がうまく行ったので、会社からも「よくやった」とチーム全員が褒められました。
上司からの提案で、その日はチームで打ち上げに行きました。その際、真矢さんは智子さんと乾杯しながらお礼を言いました。
「智子さんがブロック解除してくれた後から不思議とうまくいった気がするの。なぜか急に納期が伸びたり、気持ちが楽になってみんなと協力できたりね。ありがとう」と笑顔の真矢さんは喜びにあふれていました。
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(公認リサーチャー 鷲浦朱里)