クリスマスプレゼントにモヤモヤ
さやかさんは27歳。都内で働きながら一人暮らしをしている女性です。彼女には1か月前から婚活パーティーで知り合った彼氏がいます。
彼は亨(とおる)君。32歳。メーカーで働いています。
亨君は背も低く、顔も素朴な青年で、いわゆるイケメンではありませんが、穏やかで優しく、子供やご老人には人気がありそうな人です。
仕事もバリバリこなすような目立つタイプではなく陰ながら支える人です。婚活市場ではモテませんが、“こんな人がご近所や職場の方だったら、いいだろうな”という人です。
さやかさんも、“彼氏としては物足りないタイプだから未婚なのかもしれないけれど、そういう素朴で穏やかな人は安心できるいい人だわ”と惹かれています。
初めてのクリスマスは、カジュアルなイタリアンレストランで食事をしました。
食事の後はクリスマスプレゼントの交換です。
「はい、さやかちゃん」
「ありがとう。亨さん、どうぞ」
「わあ、ありがとう!」
2人共ちょっとぎこちなく、はにかみながらプレゼントを交換しました。
さやかさんが小さなプレゼントを開けてみると…ネックレスでした。
「…ありがとう。シンプルで付けやすそう。職場につけて行こうかな」
「そうしてくれると嬉しいなあ。さやかちゃん、ありがとう!これ、セレクトショップのブランドバッグだね。すごい、ありがとう!」
「うん…休日のバッグで悩んでるって言ってたから。どうかなって」
「すごい、使いやすそうだし職場でも使えるよ!さすがセンスいいね。大切に使うね」
ところが、さやかさんの心はモヤモヤしています。それというのも…
“亨さんのネックレス、通販で5千円で売ってて売上ランキングに入ってたやつ!私のプレゼントは2万円なんだけど!”
モヤモヤしながらも、楽しいクリスマスディナーを終え、次のデートの約束をし、その日は別れました。
マインドブロックバスターの姉に相談
翌日、さやかさんは姉のあすかさんに電話をしました。
「お姉ちゃんー聞いてよー。ブロック解除して欲しい案件があるんだけどー」
「なあに?どうしたの?」
さやかさんの姉のあすかさんはマインドブロックバスターです。さやかさんは彼と自分の”プレゼント金額の差”について話しました。
「うーん、それは確かにモヤモヤするねえ」
「でしょー!32歳が5千円のプレゼントって」
「だけど食事代も彼が払ってくれたんでしょう?それに初のクリスマスプレゼントで、2万円ってあなたの方がやり過ぎじゃないの?」
「ディナー、ふたりで1万円だった…」
「分かったわ。このまま電話口でブロック解除するわね。するのは、“あなたのモヤモヤ”よ」
「彼の、金銭感覚や世間とのズレじゃなくって?」
「依頼を受けてない人のブロック解除は出来ないもの。まずは、あなたの“男性はおごるべし”っていう価値観について、かなあ。
「そうなのかな。会社の先輩とかって、そう言ってたから社会人てそういうものなのかと…」
あすかさんは“妹が彼氏にモヤモヤする気持ち”をブロック解除しました。
「変化あったらまた電話ちょうだいね。“別れました”とかだったらイヤだな~」
「もうお姉ちゃんったら」
ネックレスに込めた想い
年が明けて新年になりました。さやかさんも亨さんも年末は仕事が忙しかったので、初詣がクリスマス後、次のデートになりました。
さやかさんはクリスマスにプレゼントされたネックレスをつけて行きました。
「あけましておめでとう。プレゼント、つけてきてくれたんだね。似合ってるよ」
「ありがとう。シンプルで使いやすいから、会社でもつけるね」
その時、亨さんが笑顔で言いました。
「実はこのネックレス、デザインしたのが僕の妹なんだよ。」
「ええ、そうなの?すごい!」
「うん、妹はジュエリーデザイナーになれるようずっとがんばってて。やっとヒットが出たみたい」
「妹さん、すごいね!センスがいいのね」
「さやかちゃんに似合うと思ったから選んだんだけど、僕や僕の家族とのつながりも欲しかったというか。ゴメン、なんか我がままというか、エゴというか」
「そんなことないよ。私が亨さんの立場でもそうするよ。だって嬉しいよ。亨さんの心が沢山こもっている感じで」
「こちらこそ、そう言ってもらえると嬉しいな。さやかちゃん、来年も再来年もその先も
クリスマスとお正月を一緒に過ごしてもらえたら嬉しいと思ってるよ」
享さんの妹を想う優しさに触れて、さやかさんは自分がプレゼントの金額だけを見て不平を言っていたことを、恥ずかしく思いました。
お金のブロックがあったのは自分のほうだったと気づいたのです。
誰かに対する「モヤモヤ」であっても、ブロック解除すると自分のブロックに気づくことが多いです。
あなたも何かモヤモヤすることがあるなら、ブロック解除を体験してみてください。
(公認リサーチャー 星野花葉)