子供の足音がうるさいと言われて引っ越すことに
由香さんは30代、夫婦共働きで子育て中です。大都市のベッドタウンの賃貸マンションで暮らしています。
子供が歩き始めた頃、階下の住人から「子供の足音がうるさい」と苦情がきました。この苦情をきっかけに、由香さんは引っ越しを考えるようになりました。
元々このマンションでは親子3人で暮らすには狭いと感じていました。もっと自然豊かな環境で、のびのびと子育てしたいと思っていました。
最近はリモートワークも多くなったので、夫婦で話し合い、思い切って子供のために地元へ引っ越すことにしました。
地元は子育てに向いていないと思い不安になった
由香さんと夫は同じ県の出身です。地元は田んぼが広がり緑も多く、とても自然豊かな所です。地方都市の郊外なので、生活に不便な所はありません。
リモートワークとはいえ、たまに通勤することを考えると、夫の両親の近くに住むのが良さそうです。帰省した折、夫の両親にもこの話をすると賛成してくれました。
ところが物件を探す段になり、問題が出てきました。調べてみると夫の地元は転出者が多く、まさに少子高齢化の波に飲まれて、さびれていく一方なのです。
それなのに若い世代の転入者への優遇措置はなく、これといった子育て支援もありません。夫が卒業した小学校は古い校舎のままです。
由香さんはここで子育てしていけるのだろうかと不安になりました。
自分の地元も調べてみましたが、夫の地元と大差ありません。むしろ交通の便が悪くて通勤には向いていないのです。
由香さんは引っ越し先の見当がつかず困ってしまいました。
友人にブロック解除してもらう
由香さんは学生時代の友人の真由美さんとお茶をした際、ついこぼしてしまいました。
「地元に引っ越そうと思っているんだけど、不安になっちゃってね」
由香さんは地元の状況から引っ越しをためらっていると話しました。
「由香さん、それは不安になって当然よ。子育てに良い環境とも思えないわ」
「そうよね。だけどこのまま狭いマンションで子育てするのも嫌だわ。何とかならないかしら」
すると真由美さんは
「私、不安な気持ちを解消する手法を習ったけど、試してみる?」
と、マインドブロックバスターという手法を説明してくれました。
話を聞いて、由香さんは真由美さんの習ったという方法で不安を解消してもらいたいと思いました。
真由美さんは由香さんの手をとって
「ブロックのイメージは広い田んぼです」と言いました。
「広い田んぼがジャマしている、ってこと?」
と由香さんは真由美さんに聞きました。
「わ〜、いかにも田んぼがダメみたいに思えるイメージでごめんなさい。これはお悩みと関係ないので気にしないで」
真由美さんは笑顔で言ってくれましたが、由香さんには訳がわかりません。
「解除のイメージは観光バスです」
と真由美さんが言いました。
由香さんはこれまた疑問でいっぱいになりましたが、最後までブロック解除をしてもらうことにしました。
真由美さんの方法では「広い田んぼ」と「観光バス」というイメージを入れ替えることで潜在意識が変わるそうです。
由香さんはなんだかキツネにつままれた感じでしたが、真由美さんと話したことで気が楽になったのか、もう少し情報を集めてみようと思いました。
ブロック解除で思ってもいなかった情報が聞けた
次に帰省した時、由香さんは義母に頼まれて隣町に出来たショッピングモールに買い物に出かけました。
買い物をしていると、中学時代の友人にばったり会いました。
「可奈子さんじゃない?何年ぶりかしら。」
「由香さん、久しぶりね。今どうしているの?」
由香さんは懐かしくてお互いに近況を報告し合いました。
すると可奈子さんは最近この街に引っ越してきたと言うのです。
「由香さんもこの町に引っ越しておいでよ。ここは転入者が増えていて、小学校も増築しているのよ。」
可奈子さんによると、この町は若い世代の転入者への優遇措置が充実しているそうです。
子供の医療費や給食費も補助があったりと子育て支援も受けやすく、そのため子育て世代の転入者が増えているそうです。
「可奈子さん、良い情報を教えてくれてありがとう。夫にも話してみるわ。」
帰宅してから由香さんが夫にこの話をすると、夫はすぐに乗り気になりました。
「川向こうはすぐ隣町だから、あなたたち隣町に住んだらいいんじゃない。」
と、夫の両親も賛成してくれました。
由香さんは夫の両親の隣町に引っ越すことを決めました。これから具体的に話を進めていこうと思っています。気がつくと、地元へ引越す不安がなくなっていました。
引っ越しの話が決まって、由香さんは真由美さんに報告しました。中学時代の友人に偶然会って、隣町の情報を教えてもらったことを話しました。
「この間帰省した時、何年かぶりでたまたま中学時代の友人に会ったのよ。」
「由香さん、それはきっと潜在意識が働いて引き寄せてくれたんだと思うわ。」
「真由美さん、本当ね!ブロック解除のおかげね。ありがとう。」
由香さんは真由美さんにブロック解除してもらってよかったと思いました。不安を感じるようなことがあったら、またブロック解除してもらおうと思っています。
(公認リサーチャー 阿部桃子)