昔は活発だった自治会活動も、年中行事の規模縮小とともに先細りとなり、役員も人手不足になってきています。ボランティア頼みだった自治会活動が変化したきっかけはブロック解除でした。
自治会活動の草刈りはボランティアだった
私は15年前に地方都市の郊外の住宅地に引っ越してきました。当時まだ30代で子供も小さかったのですが、今は夫婦2人の生活です。
引っ越してきた当初はお正月のどんど焼き、夏祭り、運動会、文化祭と自治会活動は盛り上がっていましたが、今では規模は縮小し、加入者が減り、役員は人手不足で立ち行かない状況になっています。
私は3年前から自治会活動に参加し役員を務めてきました。毎月打ち合わせの会議に出席しています。
夏の終わりの会議の事でした。
会長さんから、遊歩道と公園の草刈りについて議題が出されました。
会長さんが
「現在は、佐藤さんが1人で週末にボランティアで草刈りをやってくれています。
実は、草刈り機のエンジン音がうるさいから、週末の草刈りはやめてほしいと言う苦情が匿名で寄せられました。この件について皆さんと話し合いたいと思います」
とお話しされました。
私は佐藤さんの奥さんと知り合いで、佐藤さんのご主人が草刈りをやってくださっている事は知っていました。ですが、まさかボランティアだったとは知りませんでした。
佐藤さんのご主人はこの会議に出席していて
「ボランティアでやっているのに苦情を言われてがっかりしています。私も歳だしきつい作業なので、できたら誰かに代わってもらいたいです」
と言いました。
突然の話にみんな顔を見合わせています。
予算がなく、またボランティア頼みに?
話し合いになると、
「専門の業者を頼んだらどうか」
「月1回の清掃日に遊歩道と公園も掃除すればいい」
「ボランティアを募集するのが良い」
など意見が出ましたが
「業者を頼む予算がない」
「月1回の清掃日は人手不足で手が回らない」
という話になりました。
結局ボランティアを募集することに決まり、後日チラシが回覧されました。
回覧を見ながら私には草刈り機を使うのは無理だと思いました。
回覧板を回しながら近所の人と話してみましたが、やってくれそうな人はいません。案の定次の会議に行っても応募してくる人はいませんでした。
しばらくの間草刈りは行われず、遊歩道と公園は、雑草が生い茂り生垣は伸び放題。見通しは悪いし、防犯上も心配な状態です。
遊歩道を歩いていると近所の山田さんの奥さんが
「草刈りをしないとどうしようもないわね。誰かやってくれないかしら」
と話しかけてきました。
ちょうど佐藤さんの奥さんが通り掛かって
「主人は、このまま誰もやらないならやっぱり自分がやらなければ、と言っているの」
と話してくれました。
私は「このままだとまた佐藤さんのご主人一人に頼ることになってしまう。どうしたらいいだろう」と頭を悩ませました。
「そうだ、悩んだ時は、ブロック解除だ」と思いつきました。
ブロック解除で思ってもみなかった解決策が見つかる!
私はマインドブロックバスターの講座を受講していました。心のブロックを解除すると潜在意識の働きが変わり良いことが起こるのです。
そこで、早速ブロック解除してみました。
翌日次の会議の資料を用意していた時、たまたま一昨年の会計の資料が目に入りました。
「2年前は、子供会の活動は参加する子供が少なくて、予算が大幅に余ったんだったわ。あの時予算をどう使い切るか困ったのよね」
今年の子供会も、参加者は減っています。きっと予算は余っているに違いありません。
「そうだわ、子供会の余った予算を草刈りに回せばいいんだわ」
私は早速、今年の会計係に会いに行きました。そして2年前、子供会の予算が余って悩んだ話をしました。
会計係に今年の子供会の予算について聞くとやはり
「今年も子供会の予算が余って困っています」
と言うのです。
私は
「子供会の余った予算を草刈りに回すのはどうですか?」
と提案してみました。
すると、会計係は
「それはいい案ですね。気が付きませんでした。」
と答えてくれました。
私はさらに
「他にも余っている予算がないか見直してみましょう。手伝いますよ」
と言いました。
それから2人で会議に提案するための原案を作り、会長に話しに行きました。すると会長も賛成してくれて、次の会議で提案することになりました。
予算の見直しで草刈り費用を捻出できた
次の会議の時、草刈りについて会長からお話がありました。
「残念ですがボランティアへの応募はありませんでした。そこで今日は皆さんに提案したいことがあります。会計係から説明してもらいます」
会計係が
「予算を見直したところ、子供が減っているため子供会の予算に余裕があります。その分を草刈りに使ったらどうでしょうか」
と説明してくれました。
みんなで話し合ったところ賛成意見がほとんどでした。
そして次のことが決まりました。
「草刈りはなるべく平日に行い近隣の方に配慮する。」
「行事の前は草刈りを業者に依頼する」
「誰でも扱える軽量の草刈り機を新しく購入する」
「草刈りの予定を掲示板に掲示して、ボランティアを募る」
ということが決まりました。
自治会活動にも変化が!
草刈りの日、公園に行くと佐藤さんのご主人が作業をしていました。
私が声をかけると
「新しい草刈り機は軽くて楽だよ」
と手を止めて答えてくれました。
側では近所の山田さんの奥さんと田中さんが、刈り取った雑草の掃除を手伝っています。
しかも大変な作業なのにみんなで和気あいあいと楽しそうに作業しているのです。
私が挨拶すると、山田さんの奥さんが
「佐藤さんのご主人に任せきりじゃ悪いから手伝うことにしたんです。」
と言うのです。
田中さんも
「山田さんに声をかけてもらったから、一緒にやろうと思って」
と楽しそうに話してくれました。
新しい草刈り機なら私にも使えそうです。
「私も一緒にやらせてください」
と言うと、3人ともニコニコしながらうなずいてくれました。
これからは業者に草刈りをやってもらえます。
だからボランティアで気楽に作業できるのです。
もしあの時ブロック解除していなかったら、業者に依頼する予算や新しい芝刈り機の代金を確保できなかったかもしれません。
先細りの自治会活動ではありますが、ブロック解除で潜在意識を書き換えれば、やっていけるかもしれないという希望が持てました。
(公認リサーチャー 阿部 桃子)